2021年13日、東京農工大などの研究チームが、納豆の抽出液が新型コロナウイルスの感染を阻害する働きがあることを国際学術誌「バイオケミカル&バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ」電子版に発表しています。
納豆がコロナウイルスの感染を阻害する発表を紹介します。
バイオケミカル&バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズへの発表内容とは?
国立大学法人東京農工大学のHPホームページの発表をそのまま引用します。
納豆抽出液が新型コロナウイルスの培養細胞への感染を阻害することが判明〜感染予防対策への貢献に期待〜
【ポイント】
- 実験室における培養細胞を用いた実験において、納豆抽出液が新型コロナウイルス(以下、「SARS-CoV-2」*1)や牛ヘルペスウイルスI型の感染を阻害しました。
- 納豆抽出液に存在すると考えられる蛋白質分解酵素がSARS-CoV-2粒子のスパイク蛋白質を分解し、その結果感染が阻害されることが試験管内の実験結果から推察されました。
- 納豆抽出液は新型コロナウイルスの変異株である英国型(アルファ型)のスパイク蛋白質も試験管内の実験で分解することがわかりました。
【概要】
新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が精力的に進められていますが、ワクチン接種が完了するまでに感染の拡大を抑制する対策が求められています。納豆は我が国の伝統的な健康食品であり、これまでにも免疫力の増加や血栓の解消など健康を向上させるなどの健康効果が確認されています。
本研究では、実験室における培養細胞を用いた実験において、納豆(タカノフーズ株式会社、「すごい納豆S-903」)の抽出液が、SARS-CoV-2の感染を阻害することを発見いたしました。
本研究は、国立大学法人東京農工大学、国立大学法人宮崎大学、タカノフーズ株式会社の共同研究で行われました。また本研究の成果は、2021年7月13日に国際学術誌「Biochemical and Biophysical Research Communications」にオンライン掲載されました。
論文では、納豆抽出液に含まれる物質がSARS-CoV-2の表面に出ているスパイク蛋白質の受容体結合領域を分解することにより、感染を阻害することを証明しました。
同様に試験管内の実験においても武漢株と英国株(アルファ株)のスパイク蛋白質の受容体結合領域も納豆抽出液により分解されました。
さらに、納豆抽出液は牛ヘルペスウイルスI型のウイルスの表面糖蛋白質を分解し、培養細胞への感染を阻害することも明らかにしました。
なお、この物質は熱処理でウイルスの蛋白質を分解できなくなることや蛋白質分解酵素の阻害剤を用いた実験などから、少なくとも蛋白質分解酵素の1つであるセリンプロテアーゼが含まれていると考えられます。
これまで食品の直接的抗ウイルス効果を示された例は少なく、伝統的な食品の非常時における価値が見直されるきっかけになる研究となります。
本研究は培養細胞を用いた実験であり、納豆を食べることによりSARS-CoV-2の感染を防ぐことができることを示しているわけではありません。 |
*解説:本研究は培養細胞での実験である。ということですが、コロナウイルスのスパイク蛋白を分解しているということから、納豆を食べることは良いことが証明されています。
納豆は通常の日本食ですので、嫌いでなければ食べることが良く無いでしょうか?
読者の皆さんのご判断におまかせします。
スパイクたんぱくとは?
研究内容に出てきたスパイク蛋白とは何でしょうか?
簡単に説明しておきます。
以下、Wikipediaより引用しています。
スパイクタンパク質 (英: spike protein、またはペプロマー、英: peplomer) は、ウイルスカプシドまたはウイルスエンベロープ上の糖タンパク質スパイクである。
下の写真の赤とオレンジの突起物をスパイク蛋白である。
(Wikipedia引用 )スパイクタンパク質
*解説:よく観るコロナウイルス細胞の突起物がスパイク蛋白ですね。
コロナという名前は、スパイク蛋白のあるコロナウイルスの形が太陽のコロナのように見えることから名前がついたと言われています。
毎日新聞・・・納豆成分にコロナ感染阻害効果確認 細胞実験 食べて有効かは不明
7月21日に毎日新聞が東京工大の論文を発表しています。
その概要について紹介します。
新型コロナは、ウイルス表面にあるとげ状の「スパイクたんぱく質」が、ヒトの細胞表面にある受容体たんぱく質「アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)」に結合して感染する。
大豆を発酵させて納豆を作る納豆菌は、腸内環境を整え、免疫力を高める効果があるとされる。
そこでチームは、納豆菌が分泌するたんぱく質の分解酵素に着目。
納豆の成分を取り出した抽出液と、中国で当初流行した新型コロナウイルスを試験管で混合させた上で培養細胞に加え、細胞への感染を防げるかどうかを調べた。
その結果、抽出液の成分がウイルス表面のスパイクたんぱく質を分解してしまうため、細胞への感染を防げることが判明した。
一方、納豆に含まれるたんぱく質の分解酵素は加熱すると不活化するため、混合液に熱を加えると感染は防げなかった。
このため、分解酵素がウイルス表面を壊し、細胞への感染を防いだとチームはみている。
また、英国で初めて報告され、感染性が高いとされる「N501Y」変異株でも、同様にスパイクたんぱく質を分解する効果を確かめた。
ただ、いずれも培養細胞を使った実験のため、実際に納豆を食べて感染を防げることが示されたわけではない。
チームの水谷哲也・東京農工大教授(ウイルス学)は「食品中に抗ウイルス効果があれば感染者数を増やさないための手段になり得るのか、今後さらなる検証が必要だ」と話している。【岩崎歩】
*解説:毎日新聞も東京工大の報告と同じ報告をしています。
ただし、培養実験であることを強調しています。
納豆の効果は加熱すると効果は得られなかったと報告されていることから、加熱しない調理での食事が好ましいようです。
納豆は温かい白飯にかけて食べるのがオーソドックスで美味しいですよね。(*^^*)
まとめ・・・パンデミック・コロナウィルス感染阻害に納豆抽出液が有効か?
いかがでしたか?
昨年の2020年も納豆がコロナウイルス感染防止になるというデマが出ました。
しかし、今回の培養実験は大学チームが行う正式な実験結果に基づく発表です。
培養実験ですが、武漢発生のウイルスだけでなく変異株にも効果が出たといううことは良かったと思います。
ワクチン接種が進む中、ワクチンに不安を感じる方もいるかと思います。
この情報から、納豆で免疫力を高める選択するのも一つの選択肢になりますね。(*^^*)
私は、毎週納豆を3パックたべています。(*^。^*)