11月6日にイラク・スダ二首相はイランを訪問し最高指導者のハメイニ師と会談した。
イスラエルのガザ地区攻撃が進行する中で、前日には米国・ブリンケン国務長官の突然の訪問を受けてスダ二首相は米国の要請も伝える目的があったようです。
そのスダ二首相のイラン側への要請とイラン側の主張とは。
その情報は、イラク・シャファクニュースの記事より紹介します。
*イラク、アル・スダ二首相(左)とイラン、ハメイ二師
アル・スダニ・ハメネイ会談はイラク派閥による米軍基地攻撃に焦点を当てる
はじめに、イラク・スダ二首相がイラン・最高指導者のハメネイ師へ伝えた2つの要点を伝えています。
現在、中東情勢のニュースはイスラエルと米国関連の情報は伝えらていますが、アラブ諸国間の会談いついては流されていません。
イラクのメディア・シャファクニュースより紹介します。
(以下 シャファクニュース 11-06 20:02版より 抜粋)
シャファクニュース / 情報通の政治筋は、イラクのムハンマド・シーア・アル・スダーニー首相が首都テヘラン訪問中にイラン指導部に2つのメッセージを伝えたと明らかにした。
この訪問は、アントニー・ブリンケン米国務長官による最近のバグダッド訪問に続くもので、アル・スダーニ氏は「ガザでの事態の激化と、危機の封じ込めと拡大防止の必要性」について話し合った。
この関係者によると、シャファク通信に対し、「アル・スダニ大統領のテヘラン訪問は、2つの主要な問題に焦点を当てている。
第一に、武装勢力への継続的な支援と、アメリカの目標や利益に対する軍事作戦の扇動について、イランにアメリカの真の警告を伝えることである」同関係者は、第二の問題は、米国人に対する軍事的エスカレーションを回避するようイラクの特定の武装勢力に圧力をかけるというイランの政治・宗教指導部からのスダニ首相の要請を中心に展開していると付け加えた。
これは、イラクを戦場に変え、地域全体に戦争を拡大する可能性がある、これらの攻撃に対する米国政府の軍事的反応を阻止することを目的としている。
米国国務省は、ブリンケン長官がアル・スダニに対し、イラクで米軍人に対する現在進行中の攻撃の責任者を追及し、イラク政府が招待した米軍人を受け入れているすべての施設を保護するというイラクの約束を果たすよう要請したことを明らかにした。
*解説:イラク・スダ二首相がイラン・ハメネイ師へ伝えたのは2つだと言います。
1つ目は、イスラエルに反抗する武装勢力への勢力支援を控えるように米国の警告を伝えたこと。
2つ目は、イラク内部にいる反イスラエルの武装勢力に、米国への軍事的な攻撃を控えるというスダ二首相の要請を展開していること。
スダ二首相はイラク内部にいる米国の軍人施設への保護を要請したようです。
それに対して、イラン・ハメネイ師の見解を次項で紹介します。
*米国・ブリンケン国務長官は11月5日にイラクを電撃訪問、イラク・スダ二首相と会談!
同長官はバグダッドでイラクのアル・スダーニー首相と会談し、イスラエルとハマスの紛争拡大を防ぐ必要性について話し合うとともに、イラクとシリアで米軍人を標的にした攻撃の責任者らの責任を問うよう首相に要請した。
In Baghdad, the Secretary met with Iraqi Prime Minister Al-Sudani to discuss the need to prevent the conflict between Israel and Hamas from spreading, and urged the Prime Minister to hold accountable those responsible for attacks targeting U.S. personnel in Iraq and Syria. pic.twitter.com/hyMlIr4ReK
— Department of State (@StateDept) November 6, 2023
ハメネイ師、イラクはガザ危機解決で極めて重要な役割を果たすことができると語る
イラン・最高指導者ハメネイ師は、イラク・スダ二首相の要請を聞いた後に述べたことが紹介されています。
イスラエルと米国のガザ地区侵攻を止めさせる為に、イスラム世界の政治的圧力を高める必要があると述べたのでした。
詳しい内容を紹介します。
(以下 シャファクニュース 11-06 20:48版より 抜粋)
イラン最高指導者ハメネイ師は、米国とイスラエルに対するイスラム世界内の政治的圧力を高める必要性を強調した。
同氏は首都テヘランでイラクのムハンマド・シーア・アル・スダニ首相と会談した際にこう述べた。
ハメネイ師は、ガザ住民に対するイラクの強力な支援に感謝の意を表明し、米国とシオニスト政権によるガザ住民の殺害を止めるためにイスラム世界における政治的圧力を強める必要性を確認した。
同氏はイラクの極めて重要な役割を強調し、「地域の重要な国としてのイラクは、この点で独特の役割を果たし、アラブとイスラム世界に新たな道を切り開くことができる」と述べた。
ハメネイ師はガザ地区の悲惨な状況に言及し、戦争管理へのアメリカの直接関与を指摘し、行われた残虐行為を非難した。
同氏は、「ガザで進行中の殺人にもかかわらず、シオニスト団体は、傷ついた評判を回復することができず、アメリカの軍事的、政治的援助なしには将来も回復できないため、この問題では本当に失敗した。」と述べた。
アメリカ人はガザに対する犯罪においてシオニストのパートナーである。ハメネイ師は、ガザ爆撃を停止するよう米国とシオニスト団体に対する政治的圧力を高めるために必要な包括的な努力を強調した。
同氏は、「イラン・イスラム共和国とイラクは両国間の連携を通じて、この分野で役割を果たし、影響力を持つことができる」と強調した。
さらにハメネイ師は、経済・安全保障分野におけるイランとイラクの二国間協力について触れ、「神のおかげで進展は見られるが、当初と同じ熱意を持って遅滞なく合意を確実に継続的に履行することが重要だ」と述べた。
最後に、ハメネイ師は、40日間の期間中の温かいもてなし、サービス、安全保障に対するイラク、国民、政府、首相に心からの感謝の意を表明した。
*解説:イラン・ハメネイ師は、イスラエルと米国の直接関与を厳しく非難しています。
ハメネイ師は、イラクの立場を駐留する米軍がいる中での難しい状況を理解しており、イラクとイランの2国間協力を確実に履行して維持する事を強調したのでした。
このハメネイ師からの発言では、イラクににいる反イスラエル勢力には、無謀な米軍への攻撃はしないように指示が出ているようです。
そうなると、現在のイスラエル紛争はハマスを壊滅させるという名目で、イスラエル軍がガザ地区の攻撃をして一般のパレスチナ人を死傷させてることが問題です。
イスラエルへの人道支援上の非難が拡大することが想定されます。
まとめ・・・11月6日イラク、スダニ大統領とイラン、ハメネイ会談の行方!
11月5日の米国・ブリンケン国務長官のイラクへの電撃訪問の直後に行われたイラクとイランの会談の概要でした。
イスラエルとハマスの紛争から、イエメン、レバノン・ヒズボラのイスラエルへの宣戦布告が騒ぎになっている中での会談でした。
イラクのスダ二首相とイランのハメネイ師の会談では、イスラエルのガザ侵攻を非難しているものの、イランが支援するイラクに駐留する反イスラエル勢力へは攻撃の自粛が指示されているようです。
この紛争は、イスラエル軍によるガザ地区の侵攻がカギを握っています。
ガザの避難民への燃料、食糧、医薬品の供給をしないまま、侵攻を続けるとイスラエルは諸外国から厳しい非難を受けることになります。
イスラエルの動きが重要になっているということです。
Qプラン的な視点から見れば、イスラエルは主権を10月31日で失っており、ネタニヤフ政権が崩壊していく姿を見せているようです。
イラクに駐留する米軍3600人は撤収を始めているという情報もあります。
イスラエルの軍事的な状況は間も無く鎮静化していくのではないでしょうか。
最後までご視聴ありがとうございました。m(_ _)m
*イラクに駐留する米軍の撤収情報!
10月27日、彼らはイラクから3,600人の米軍を撤退させ始め、おそらく月曜あたりにイラクが主権国家であると宣言できるようにした。(ジュディノート10月30日版より)